日本の若者の自殺率は主要先進国でトップ 今、若者のメンタルが危ない

2021.04.08(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」。3月16日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」では、国際ジャーナリストの高橋浩祐さんが若者のメンタル不調からの守り方について述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」。3月16日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」では、国際ジャーナリストの高橋浩祐さんが若者のメンタル不調からの守り方について述べました。

◆ヒット曲「うっせぇわ」は、若者の心の叫び

現役女子高生シンガーのAdoさんが歌う「うっせぇわ」が、中高生を中心に話題になっていますが、高橋さんは「この曲は、社会に不満を述べている」と考察。そこから今、問題視されている若者のメンタルについて言及します。

若者の間では今、心が病んでいる人が増加。WHOの報告書によると、世界の若者の主要な死因の1つが「自殺」。しかも、世界の自殺者の総数は年間約80万人、40秒に1人が自殺している状況。そのうち、若者の自殺が約3分の1を占めており、若い世代では自殺が2番目の死因になっています。

なかでも、日本は若い世代の死因1位が自殺で、これは先進国(G7)のなかでは日本のみ。自殺率16.3%という数値は他の国と比較しても高く、これは韓国と同じ水準だと高橋さん。さらに、コロナ禍で子どもの自殺が大幅に増加し、去年の小中高校生の自殺者は479人と過去最多を記録しました。

高橋さんが取材した精神科医の木村好珠(このみ)先生によると、こうした若者のメンタル、自殺まで追い込まれている心の叫びが「うっせぇわ」という曲に垣間見えると指摘していたとか。この曲について、木村先生は「日本の若者たちが抱えている心の叫びの1つなのだろうなと思います。昔の尾崎豊さんの時代なら、バイクを盗んで走り出すといったように行動に表すことができた。しかし、今は、親に言われるがまま優等生のように育って、自分の本音を吐き出すことが苦手な人も多い」と分析していたそうです。

◆若者をメンタル不調から守る3つのポイント

かつての鬱々とした若者は、いわゆるツッパリ(不良)や校内暴力などヤンチャな方向に向かうことが多かったわけですが、今の若者はそうではなく、あくまで大人しく、しかし一方でSNSという匿名性の世界では過激な発言をしたり、同調圧力でネットいじめをしたりする方向に流れていると、木村先生が話していたことに触れます。

そんな状況において、どうすれば若者を救えるのかをずっと考えていたと高橋さん。若者とのディスカッションや、精神科医に話を聞くなどした結果、3つの結論に達したと言います。

1つは、「子どもの頃から自己表現や自己主張ができ、長所を伸ばす教育」。今は以前と違い、内にこもる人が多いことからも「ハッキリとものが言えるよう長所を伸ばすべき」と高橋さん。2つ目は、「多様性を重視する教育」。昔は「人と違うことをすると人様に迷惑がかかるから良くない」などと言われていましたが、今はそうではなく、「人と違うことは個性であり、独自のことをやるのは大事」と主張。そして、3つ目は「コロナ禍の外出自粛下、SNSだけでなく、リアルなコミュニケーションの機会を確保すること」。高橋さん自身、野外の公園などでなるべく対面式で集まるようにしていると言い、「SNSはリアルではない。やはりリアルなコミュニケーションを増やしていけたら」と訴えていました。

MCの堀潤は高橋さんの言葉に共感しつつ、一方で個性を重要視するなかで自分の個性が見つけられなかったり、周囲が活躍するなかで自分だけ取り残され、逆に孤立感を深めてしまったり、とりわけ今はSNSというさまざまなものが視覚化できるものがある分、「特別にならないといけないという圧みたいなものがある」と危惧。すると、高橋さんは「自分の歴史、自分のなかを見つめて、良いところが見つけられるよう支援するような教育が良いと思う」と話していました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00(※番組終了)
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

 

この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね

RELATED ARTICLE関連記事