ディズニーランド入園料が世界最安値の日本…“実質賃金”の減少はいつまで続く?

2019.12.19(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月12日(木)の放送では、日本経済の停滞について意見を交わしました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月12日(木)の放送では、日本経済の停滞について意見を交わしました。

◆日本経済停滞の理由は?

海外から見た日本のモノやサービスなどの価格の安さが際立っています。例えばディズニーランドの大人1日入園料は、東京は7,500円で米・カリフォルニア(1万3,934円)のおよそ半額。これは、ディズニーランドを擁する6都市のなかで最も安くなっています。このほか、100円均一ショップ「ダイソー」やファストフードチェーン「マクドナルド」のビッグマックの料金などが、世界と比べて低価格に留まっています。

こうした状況について、第一生命経済研究所のエコノミストは「今の価格差は、為替では説明がつかない状況にある。日本の賃金の停滞が物価を引き下げ、負の循環が起きている」と指摘しています。

まず、MCの堀潤がディズニーランドの入園料とダイソーの価格を諸外国と比較した一覧表を掲出し、「カリフォルニア州のディズニーランドの入園料は日本の約2倍。“高い”と思うかもしれませんが、全体の物価がその水準ということですから、逆に言うと日本の物価が安いということ。いいことなんじゃないかと思いきや、それだけ経済力としては弱くなっているということに尽きる」と言います。

その要因の1つとして、堀は日本の実質賃金が減少している点を挙げます。一方、イギリスやアメリカの実質賃金は上昇しているだけに、「日本の経済が世界の成長についていけておらず、停滞している」と話します。さらには、「昔は、新興国に安い買い物をしに海外旅行に行くような印象だったが、いつの間にか日本が安くなった。諸外国の方々が日本に安いモノを買い求めにくる国になってしまった」とも。

慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんは、「大学生とかとしゃべっていると、よっぽどお金持ちの家に生まれた子以外のほとんどは、お金をできるだけ使わないほうが賢いとずっと教わってきている感じがする」と言います。逆に“お金を使ったほうがいい”と教わっているのは、「ごく僅かのイケイケの経営者の子など、数で言うと圧倒的(に少ない)」とも。

これを受け、堀が「幸福の価値が“お金”ばかりでなく、変わっていくのはいいのかもしれないが、節約してはいけないのはやはり人件費。でも、コスト削減ということで賃金を抑えてきた」と話すと、若新さんは「個人が(モノを)買わないと循環しない。自分さえお金が貯まればいいわけじゃない、世の中のためにお金を回すんだという視点が生まれればどこかで変わるかもしれないけど、僕自身、少なくともそう教わる機会を聞いたことがない」とコメント。

元衆議院議員の金子恵美さんは、「デフレからの脱却が第一の目標だったはずが、完全にできていないことの表れだと思う。賃金と物価が下がっていることは、まさに日本の停滞を表している」と感想を口にします。

若新さんが「老後2,000万円問題などもあって、みんな益々お金を使わなくなると思う」と推測すると、金子さんは政策に必要なことの1つとして、「経営者が賃金を上げられない状況ですから、経営者・企業への支援は絶対に必要だと思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

 

 

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