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「アキシマクジラ」新種に決定 57年の時を経て…

(地域・まち - 2018年2月15日 18時30分)
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 東京湾に注ぐ多摩川の河口から40キロほど内陸に入った東京・昭島市で、今から57年前にクジラの化石が見つかりました。「アキシマクジラ」と名付けられたこの化石が新種のクジラと認定され、市内に喜びの声が広がっています。

 昭島市の東中神駅を降りると、クジラのオブジェが出迎えてくれます。また、市内の商店街の名前は「くじらロード」、休憩スペースにも大きなクジラがいます。昭島市内を走るとこの他にも、道路沿いの街灯や市役所の案内板、交番の外観などにクジラがデザインされ、市内の和菓子店「和菓子処・桃仙」にはクジラをモチーフにしたお菓子があります。和菓子店の人は「やっぱり昭島のシンボルだね」といいます。

 市民に親しまれ、市のシンボルともなっている「クジラ」の始まりは、今から57年前にさかのぼります。1961年、当時4歳だった田島芳夫さんは、父親と多摩川の河川敷に遊びに来ていました。そこで、父の政人さんがクジラの化石を発見したのです。田島芳夫さんは「私は父と一緒に河原に来て、勝手に遊び回っていた。(父は)それを追い掛けながら、なめ土のところから化石が出ているのを見たと聞いている」と振り返ります。

 発見された化石はクジラの頭や背骨などほぼ全身がそろっていて全長は13.5メートルで、昭島市が海だった約200万年前の化石と推定され、市の名前を取って「アキシマクジラ」と命名されました。

 発見後、化石の研究は進まず、保管された状態が続いていましたが、2012年に群馬県の博物館に移ってから本格的な研究が始まりました。アキシマクジラを研修する群馬県立自然史博物館の木村敏之学芸員は「今、生きているコククジラの頭の骨と、同じ方向からアキシマクジラの頭の骨を比較してみると、コククジラの鼻骨は中央部分が後ろにとがっていて三角形。一方、アキシマクジラは後ろがとがっていなくて、ほぼ長方形」と解説します。

 『アキシマクジラは今まで発見されていなかった新種のクジラである』という研究結果をまとめた論文が、1月発行の学会誌で発表され、「アキシマクジラ」はコククジラの仲間ではあるものの、骨の形や位置の違いから「新種」と認定されました。群馬県立自然史博物館の木村学芸員は「今まで知られていなかった種類のコククジラがいたと分かったので、コククジラがどのように進化してきたのか分かる」と話します。

 進化をひも解く世界で初めての発見に、昭島市民からは「びっくりした。子どもに話したい」「うれしいですね。ちょっと自慢になるかもしれない」などと喜びの声が聞かれました。また、昭島市の臼井市長も「『もう1回見てよ』と、クジラがよみがえったのでは。自然の温かみや科学のすごさが、市民や子どもたちに伝わればいい。『クジラ元年』ですよ」と話し、改めて市のシンボルとしてアキシマクジラを広めていきたい考えです。

 化石を見つけた田島政人さんは20年ほど前に亡くなりましたが、思いを継いでアキシマクジラを知ってもらう活動に取り組んできた息子の芳夫さんも、新種の認定を聞き、喜びをかみ締めていました。化石発見者の息子である田島芳夫さんは「論文を父の仏壇に報告した。論文になったり研究されるのは諦めていた状況だったので、非常に喜ばしいことだと思っている」と話しています。

 半世紀以上の時を経て、新たに注目を浴びたアキシマクジラに、昭島市は2年後に完成する教育福祉総合センターに原寸大の化石のレプリカを展示するほか、4月以降に記念イベントを開くなど、「クジラの街」のさらなる発信に力を入れたいとしています。

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