築地から豊洲へ 「移転諦め」水産仲卸廃業69社に
(都政 - 2015年7月23日 20時21分)
来年11月7日の豊洲市場オープンに向けて移転準備を進めている築地市場の水産仲卸業者の組合がきょう会見を開き、今後、移転に伴って69の仲卸業者が他の業者に事業を譲り渡して廃業すると発表しました。
築地市場の水産仲卸業者は去年3月から24事業所が廃業していて、現在は622事業所に減りました。今後、移転するまでに廃業するのは69事業所に上るということです。東京魚市場卸協同組合の伊藤淳一理事長は「営業店舗数は同じだが事業所の数が減る。統合大型化という中ではやむを得ないのかもしれないが、同時に寂しいなと実感する」と話しました。
そのほか、伊藤理事長は「設備が間に合うのか。それを発注するための資金がいる。都で支援メニューは出しているが、本当に全ての事業所がそれで十分かどうか」と話し、豊洲市場のオープンに向けてはまだ多くの課題を抱えていると指摘しました。さらに、駐車場の整備をはじめとした物流のルートがまだ決まっていないとして「日に日に課題が大きくなっている」と述べました。
来月には豊洲市場の水産仲卸1575店舗の配置を決める抽選会を行うということで、移転に向けた具体的な動きが加速します。
<事業者撤退 計画白紙の「千客万来」施設>
オープンの日が来年11月と決まった豊洲市場では、他にも大きな問題を抱えています。場外の観光施設「千客万来」の運営業者が白紙に戻り、先行きに暗雲が立ち込めたままとなっています。現状をまとめました。
都では9月に業者の再公募に向けた募集要項を発表しますが、都の担当者は「業者からの問い合わせもあり、関心を寄せてもらっていると考えている」と話しています。