八丈島を内閣府副大臣が視察「全容把握に全力」 東京都の「キャンピングカー支援」は荒天で延期
地域・まち - 2025年10月30日 21時00分
東京・伊豆諸島の八丈島は台風22号・23号などによる被害から3週間となりますが、いまだに爪痕が残る島内は、復旧への道筋が見えません。こうした中、10月30日、内閣府の防災などを担当する津島淳副大臣が島を視察しました。
津島副大臣は八丈町の山下奉也町長と面会し島の被災状況を聞き取ったほか、断水が続く地区や給水所などを回りました。津島副大臣は「一日も早く断水を解消する。いろいろな人的サポートをする。復旧復興に向けての財政的な部分も考えたい。まずは人的支援」と語りました。また、激甚災害の指定に向けては、被災状況の把握が必要だという認識を示し「激甚災害法、被災者生活再建支援法、これらの法律に関わる手続きについて、全て基となるのは被災状況の把握。なるべく早く全容を把握することに全力を尽くす」と述べました。
被災状況の把握を巡っては、国土交通省の緊急災害対策派遣隊「テックフォース」が町からの要請を受け、10月10日から道路の状況などを調査しています。国交省テックフォースの担当者は「倒木がどれぐらいの大きさ・高さか調査し、実際に通れるようにするためにどのぐらい予算がかかるのか積算するために必要な調査を行っている」と説明しました。
八丈島では現在も土砂災害で通行止めとなっている道路や倒木で通れない道が残っています。現場では住民自ら倒木を撤去している姿も見られました。撤去作業を行っていた島の住民は「役場は今、水道で忙しくて。この道自体は役場も道だと知らない人が多いのではないか。とりあえずできることは全部やらないと」と話していました。
テックフォースはこうした道路の調査を続けていて、これまで50カ所以上を調べています。テックフォースの担当者は「住民が普段使っている道路が早く復旧することが大事。いろいろな状況があるが、安全第一に復旧していくことが大切」と話しています。
政府が支援を進める中、東京都は台風で住まいを失った人に利用してもらうため、八丈島に輸送するキャンピングカー6台を30日、貨物船に積み込みました。輸送されるキャンピングカーは最大5人が就寝できる車両で、今後合わせて20台ほどを輸送する方針です。今回輸送されるキャンピングカーの中には、車内にトイレとして利用できる部屋やコンロ付きのキッチンなどが設置されているものもあります。
しかし貨物船の出航はこの日の夕方を予定していたものの、八丈島周辺の波や風が強いことなどを理由に11月1日に延期となりました。東京都の担当者は「建設型の仮設住宅に比べても即効性のある対応だと思っている。そういった点で有効性のある対応だと思っているので(きょう出航できないのは)担当者としても非常にもどかしいが、一刻も早く届けたいという思いは変わらない」と話しています。