東京都内は3月19日、強い寒気の影響で大気の状態が不安定となり、朝から季節外れの雪が降りました。

午前9時すぎの千代田区麹町では大粒の雪が降り、視界も悪くなりました。雷も鳴ったほか、港区では午前7時ごろにひょうが降る様子も見られました。東京都心では午前10時に1センチの積雪を観測し、檜原村と奥多摩町には一時大雪警報が発表されました。
都心では午前中に雪のピークが過ぎ、雪は冷たい雨と風に変わりましたが、交通への影響が広がりました。JR青梅線や中央線の一部で一時運転が取りやめとなったほか、中央道の一部区間でも一時通行止めとなりました。
<朝から季節外れの雪 都内の桜イベントに影響>
桜を描いたちょうちんやソメイヨシノをイメージしたのれんを屋外に設置して春の訪れを感じてもらおうと中央区日本橋室町でこの日から始まったイベントは、雪の影響で開始時刻を2時間繰り下げる事態となりました。
開始予定だった午前11時の段階では、本来は来場者がくつろぐはずのスペースに柵が置かれ、中に入ることもできませんでした。
また、キッチンカーが並ぶ飲食ブースでは桜をイメージしたスイーツが提供される予定でしたが、凍える寒さに、開始時にスイーツを楽しむ人の姿はありませんでした。
イベントの担当者は「3月にまさか雪が降るとは企画当時は思っていなかったので残念。イベント初日なので、晴天の中で皆さんの笑顔いっぱいなイベントにできたらよかった」と、イベントにはあいにくの空模様を残念がっていました。
一方、上野公園では桜の季節にお花見しながら全国のご当地グルメやステージを楽しめるイベントが前日から始まりました。
しかしこちらも朝から続く雪や雨の影響で、19日午前のイベントは中止となってしまいました。
それでも本来のにぎやかさはなかったものの、公園内ではスマートフォンを片手に桜の写真を撮る人の姿も多く見られました。
ソメイヨシノはいまだつぼみの一方で早咲きのオオカンザクラは見頃を迎え、冷たい雨が降り続く中、日本が世界に誇る美しい桜を多くの外国人観光客も楽しんでいました。
ブラジルからの観光客は「桜を初めて見たが素晴らしい。いろいろな美しい桜を見るのが待ち遠しい」、また、花を見に来た日本人も「友達と一緒に桜について話したり写真を撮ったり。記念になり楽しいです」と話していました。
都内は季節外れの雪となりましたが、本格的な春の到来が待たれます。