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ライバルの京王に挑む! 小田急、新ダイヤで狙う“乗客争奪戦”

(ビジネス - 2017年12月21日 18時30分)
 小田急電鉄は、上下線それぞれの線路を増やして輸送力を向上させる、いわゆる複々線化の工事を梅ケ丘-代々木上原駅間で進めています。複々線の完成に合わせて、小田急電鉄は2018年3月17日にダイヤ改正を行います。ラッシュ時間帯では大幅な混雑の緩和と所要時間の短縮が見込まれていて、多摩地域では「ライバル路線から乗客を呼び込みたい」と意気込んでいます。

 11月、小田急電鉄の星野晃司社長は新しいダイヤ発表会見で「京王のお客さまからも小田急にシフトいただければ」と語り、今度のダイヤ改正が、並行するように走る京王電鉄から乗客を取り込む切り札になると期待を示しました。

 それは、会見で“ある駅”について問われた時でした。

 ダイヤ改正で大きく変わる駅の一つとして紹介されたのが「多摩センター駅」です。小田急と京王がホームを並べ、周辺にはテーマパークや文化施設などが集まる多摩ニュータウンのターミナル駅で、小田急と京王は、共に新宿へとつながるライバル路線です。

 しかし、会見で小田急の星野社長は「多摩センター駅は現在、京王と小田急の両方が新宿に向かっているが、圧倒的に京王のお客さまが多い」と認めました。多摩センター駅の乗降者数は2016年度、京王が8万7000人を超えるのに対し、小田急は増加傾向にあるものの約5万人と差をつけられています。駅の利用者からも「便利さは、どちらかでいったら小田急よりも京王の方がいい」「新宿に出るときも京王の方がスムーズで早い」といった声が聞かれました。

 新宿までは1本で出られる京王に対し、小田急は現在、直通列車がなく、途中で乗り換えなければなりません(一部の各駅停車を除く)。運賃も京王は339円、小田急は370円(共にICカード利用時)で「京王の方が便利で安い」という状況が続いてきました。

 小田急は、今回のダイヤ改正で巻き返しを狙います。小田急電鉄・広報部の中尾仁美さんは「新宿方面へダイレクトにアクセスできるようになったり、座って通勤できるようになったり、利便性が高まる」と力を込めます。新宿への直通列車を新たにつくり、朝のラッシュ時間帯の所要時間をこれまでより14分短い、最速40分に短縮しました。この結果、朝は京王を逆転し、9分早く新宿に出られるようになります。また、多摩センター始発の列車も設け、座って通勤・通学できる機会を増やします。広報の中尾さんは「これまで小田急を利用しなかったお客さまにも非常に便利になるので、ぜひ小田急線を利用いただければ」と話しています。

 対する京王も新たなサービスを打ち出しました。

 京王電鉄・広報部の池田洋さんは「加算運賃の引き下げや夜間時間帯に導入する座席指定列車などの施策を実施する」と話します。京王は、建設費回収のために加算していた相模原線の運賃を2018年3月に引き下げます。これにより、もともと小田急より30円ほど安かった新宿までの運賃はさらに20円安くなり、その差は約50円に広がります。さらに16年ぶりに新型車両を投入し、夜の帰宅時間帯に座って帰れる有料の座席指定列車を運行します。広報の池田さんは「顧客満足度向上、利便性向上、京王の競争力の強化につながるものと考えている」としています。

 駅の利用者はどう見ているのでしょうか。駅前で話を聞くと「(小田急も)新宿直通が出てくればすごく便利で、利用範囲も広がると思う」と話す人もいる一方で「(京王に)乗り慣れているので、そのままかなと思っている」という人もいました。

 早くなる小田急と、安くなる京王──。両社の乗客争奪戦は、ダイヤ改正の2018年春に向けて、熱を帯びています。

<小田急 通勤が便利に…混雑緩和も期待>

 小田急電鉄は、より多くの利用客の獲得を目指してサービスの向上を目指しています。改めて、京王と小田急で何が変わるのかまとめました。

 多摩センター駅から新宿駅でみると、2018年3月から京王は運賃が下がります。一方、小田急は新宿までの所要時間が短くなり、乗り換えもなくなります。ラッシュ時間帯でみると、京王より小田急の方が早く到着する列車もあります。

 京王・小田急の輸送実績のデータを見てみると、両者とも利用者は「定期券を利用していない乗客」よりも「定期利用」の乗客が多く、他の鉄道会社も同じ傾向にあり「定期利用」が多くなっています。このことから、通勤通学の利用者の確保が収益の安定につながっているのが分かります。そのためにはラッシュ時の混雑緩和も重要となります。これまで最大混雑率は、京王が166%(下高井戸→明大前駅間)だった一方、小田急は192%(世田谷代田→下北沢駅間)でしたが、今後、小田急では150%ほどに下がる見込みです。混雑率192%は「体が触れ合い、圧迫感も感じる」状況ですが、これが150%になると「新聞や雑誌が楽な姿勢で読める」状況に変わります。

 東京都の小池知事は通勤列車の混雑緩和を政策の一つにしています。鉄道各社の取り組みによって、通勤通学の環境がより良くなっていくことが望まれています。

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