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都民ファ初の区議選で当選は1人だけ 葛飾区議選

(地域・まち - 2017年11月13日 18時30分)
 12日に東京・葛飾区で区長選挙と区議会議員選挙が行われました。翌日開票された結果、区長選挙は現職の青木克徳氏が3回目の当選を果たしました。一方、区議会議員選挙は、小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が都議会議員選挙以外で初めての地方選に挑みましたが、当選は立候補した5人のうち、わずか1人にとどまりました。

 葛飾区議会議員選挙は定数40に対し、59人が立候補しました。東京都の小池知事が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会からは、初めての区議選に候補者5人が出馬しました。

 小池知事は7月の都議選で大勝した当時、自らの政治塾に関するインタビューの中で「(塾生で)区市町村の議員や長に立候補したい人については、地域を考えながら進めたい」と述べ、区市町村の議会への進出に意欲を示していました。

 しかし、小池知事は10月の衆議院選挙で、自らが代表を務める国政政党・希望の党が低迷したことを受け「知事の公務に専念する」として、今回の区議選では候補者の応援演説に立つことはありませんでした。11月2日の定例会見で「区議選の応援演説などアクションを取る予定は」と問われると「今のところ、予定を入れておりません」と答えていました。

 開票の結果、都民ファーストの会の候補5人のうち、当選したのは臺(うてな)英明さん1人だけでした。

 都民ファーストの会の候補の当選が1人にとどまったことについて、小池知事は「それぞれの運動が十分に乗らなかったということ。大変残念」とした上で「地方議会の議員は、より地域に密着している必然性もあるので、これからも都民ファーストの皆さんがより多くの活動をすることを期待している」と述べました。

<葛飾区議選は「衆院選の勢い」そのままに>

 葛飾区議選では、衆院選の結果を反映するかのように自民党、公明党が強さを見せました。政党別では、最も多い16人の候補者を擁立した自民党は12人が当選、公明党は9人全員が当選したのに対し、小池知事が事実上率いる「都民ファーストの会」は、7月の都議選の勢いはなく、5人の候補のうち1人だけが当選という結果になりました。

<「風はない」 都民ファ候補が感じた選挙戦>

 都民ファーストの会で唯一当選を果たしたのが、元職の臺英明さん(39)です。選挙戦は、都民ファーストを巡る「風の変化」を感じながらの戦いとなったようです。

 葛飾区出身の臺英明さんは、民主党の葛飾区議会議員として2009年から1期務めましたが、前回の区議選では敗れ、今回は都民ファーストの会から出馬しました。

 臺さんは街頭で「東京都議会の第1党・都民ファーストの会、小池知事としっかり連携ができる」として、「防災街づくりを考えた時、葛飾区の予算単体ではなかなか前に進めていくことはできない。東京都を使っていかなければならないという思いで、都民ファーストの会の立場を活用したい」と訴えました。

 地域政党の都民ファーストの会は7月の都議選で小池知事が代表となり、55議席を獲得して都議会第1党に躍進しました。その後、特別顧問となった小池知事が10月の衆院選を前に「希望の党」を立ち上げると、都民ファーストの会は荒木代表が希望の党の決起集会に駆け付け「都民ファーストの会の所属議員は総力を挙げて、共に勝ち抜きたいと思っている」と語るなど、希望の党を全面的に支援しました。しかし、小池知事の「排除致します」発言などが影響して希望の党は失速し、衆院選で議席は伸びませんでした。

 今回、都民ファーストから出馬した臺さんは、区内に吹く“風”が変化していると感じていました。臺さんは「都議選の時の“風”はない。都民ファーストの会の名前より、僕の名前を見て手を振ってくれる人が多くいる。自分を見てくれる人を増やしていかないと。風頼みではとても戦えないことは確か」と語りました。

 臺さんは、地元地域などをくまなく歩き回り、子育てや教育に関する政策の充実などを訴えました。そして投開票の結果、2965票を獲得し、都民ファーストの候補として唯一当選しました。当選を果たした臺さんは「選挙戦は厳しかった。ただ、多くの人から激励をもらって戦えたし、仲間と一緒に戦えてありがたかった」と振り返りました。

<都民ファ初の区議選 有権者は?専門家の分析は?>

 今回、都民ファーストの会の候補者自らが「風が吹いていない」と感じ、わずか1議席だけにとどまった選挙戦の結果について、葛飾区民と専門家に話を聞きました。

 葛飾区民に今回の選挙結果について聞いてみると「都民ファーストはまだ認知度が低いから、実績を積まなきゃ。まだまだこれから」「(衆院選の)希望の党でごたごたがあったから、政党としてはあまり人気がなかったのでは」「区のことなので、都民ファーストの会がどういうことを考えているのかあまりよく分からなかった。都議選の時にはいろいろな政策を出していたので頑張ってほしいと思ったが、(今回の葛飾)区議選では(政策が)よく分からなかった」などといった声が聞かれました。

 一方、専門家は今回の選挙結果について「小池旋風が失速した」といいます。国際医療福祉大学の川上和久教授は「小池ブランド、小池旋風がすっかり色あせてしまった。7月の都議選で当選した都民ファーストの候補は約5万1000票を取っている。ところが今回、都民ファーストの5人の候補は、合わせても8500票しか取っていない。選挙が違うといっても、小池ブランドでは選挙を戦えないことが明らかになった選挙ではないか」と分析します。

 また、今回の敗因について川上教授は「都民ファーストの新人の人たちは準備不足だった。区議選というのは、地域をきちんと回って『顔が見える選挙』かどうか。今回、無党派層があまり投票に行かなかったことで、地域密着型の地元をきちんと回っている候補しかなかなか当選できない、小池ブランドの“風”では当選できなかったというのが挙げられる」と指摘しています。

 川上教授は、今後、都民ファーストの会が再び勢いを取り戻すためには「都政で公約を実現しながら、いかに存在感を示せるかどうかだ」としています。

 豊洲への移転時期の決定が流れてしまった市場移転問題や、東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙対策など、大きな課題が「待ったなし」の状態となっています。

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