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“領土問題” 大田区議会「調停案は受け入れず」

(地域・まち - 2017年10月17日 18時30分)
 東京湾の人工の島・中央防波堤埋立地は、東京・江東区と大田区が自らの区の土地だと主張しています。17日、大田区議会の委員会は、前日に東京都が示した「8割以上の土地を江東区とする」調停案を受け入れない方針を全会一致で可決しました。2つの区の“領土争い”は今後、訴訟に発展する可能性が高まってきました。

 東京湾にある中央防波堤埋立地は長年にわたって、江東区と大田区が帰属を巡って協議を続けてきましたが話し合いがまとまらず、2017年7月、東京都に調停を申請していました。

 そして、10月16日に東京都が示した調停案は、86%余りを江東区に、14%弱を大田区に帰属させるというものでした。両区の護岸からの距離といった客観的基準を基に、土地の用途や過去の経緯を含めて総合的に判断したということです。

 調停案に対し、大田区は調停案が示されたその日のうちに松原区長が「求めてきた全島帰属からかけ離れている」として、「受け入れない」とする議案を大田区議会に提出しました。17日の区の委員会では、委員から「調停案はノリ漁業を続けてきた大田区の歴史的背景を十分考慮しておらず、不合理で納得がいかない」といった意見が出て、受け入れの拒否が全会一致で可決されました。今後、大田区議会の本会議で審議されます。

 一方の江東区は、25日に開かれる区議会で調停案の受け入れを議決できるよう、調整中です。江東区の山崎区長は16日の調停案提示後、「調停案を受け止めていくべきだ。一日も早く(境界を)確定して、将来、都民のためにこの地域を開発、利活用をしていきたい」と述べました。

 調停が成立するためには双方の区議会の議決が必要ですが、大田区議会では提訴を検討する声も出ていて、訴訟に発展する可能性が高まっています。

<調停案の内容は? 過去にも「境界線」もめる例も…>

 中央防波堤埋立地の帰属を巡っては、大田区と江東区双方が、土地の全てが自分の区だと主張してきました。従って、今回の調停案は大田区にとって受け入れ難い結果といえます。なぜ、このような割合の帰属となったのか、調停案ではその根拠も示されています。

 島を挟んで、大田区と江東区の土地の水際から等しい距離にある場所に「等距離線」を引き、上の部分を江東区、下の部分を大田区の帰属とします。ただ、実際の土地の活用や飛び地になるのを考慮して、海と道路を境に帰属を決定しました。

 このような決め方はかつて、中央防波堤埋立地のすぐ近くの「お台場地区」でも行われました。お台場の帰属、つまり「住所」については、国道を挟んで西側が品川区、首都高を挟んで港区と江東区に分かれています。1982年の調停案でも水際からの等距離線を基に、活用法などを考慮して帰属が決められました。

 今後、大田区が裁判を起こし、土地の帰属を争う可能性もありますが、裁判となると判決が出るまでに時間がかかるという懸念もあります。かつて、和歌山県にある人工島の帰属を海南市と和歌山市が争いました。1992年に海南市が提訴し、1995年の地裁判決で「島の帰属は和歌山市にある」とされました。その後、最高裁まで争われましたが、地裁判決は覆りませんでした。結局、提訴から6年もの歳月が掛かりました。

 大田区、江東区共に2020年の東京オリンピックまでにはこの島の帰属問題を解決したいと考えていますが、裁判となるとそれも難しくなりそうです。今後の大田区の対応に注目が集まっています。

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