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“領土問題”調停案 「江東区8割」に大田区は反発

(地域・まち - 2017年10月16日 18時30分)
 東京湾の中央防波堤埋立地は、東京の大田区と江東区がそれぞれ、40年以上にわたって互いに譲らず、自らの区の土地だと主張してきました。2つの区で協議を続けてもまとまらず、2017年7月、東京都に調停を求めていました。この土地の「帰属問題」について10月16日、東京都が調停案を発表しました。

 埋立地はお台場の南、羽田空港の東側にあり、1973年から東京都がごみの埋め立てを始めた場所です。今回、東京都は8割以上を江東区に帰属させる調停案を発表しました。ここは2020年東京オリンピックのボートとカヌーの会場にも決定し、大会後に施設を活用する点でも注目の場所ですが、調停案で大部分が江東区となることに大田区側が強く反発しています。

 東京都が示した調停案は、東京オリンピックの競技会場となる海の森水上競技場を中心とした地域を含む86%余りを江東区に、コンテナ埠頭(ふとう)を含む14%弱を大田区に帰属させるというものです。

 根拠については、全国での過去の判例を参考に、両区の護岸からの距離といった客観的基準を基にして、土地の用途やこれまでの経緯を含め、総合的に判断したとしています。自治紛争処理委員の和泉徳治弁護士は会見で「両区と(埋立地の)道路のつながりや、用途の使用区域などを考慮した」と述べました。

 示された調停案に対し、江東区の山崎区長は早速「合理的、中立的な判断。調停案を高く評価する」と述べました。一方、大田区の松原区長は、開会中の大田区議会で「大田区は(調停案を)受諾しないものとするため、地方自治法の規定により(議会に、受諾しない議案を)提出した」と説明しました。

 これまで、江東区は、ごみの運搬に伴う渋滞や悪臭などの問題で区民が苦しめられてきたため、区の土地だとしてきました。江東区の山崎区長は7月の会見で「みんなが我慢してごみトラックの通過を許した」と述べていました。一方、大田区は埋め立てられた地域では江戸時代から区民によるノリ漁が行われてきたため、区の土地だと主張してきました。大田区の松原区長は6月の会見でも「ずっとノリ漁場をやっていて、まさに生活と生産の場であった」と述べていました。

 10月16日に東京都から示された案に対して、江東区の山崎区長は「東京五輪・パラリンピックまでの決定を大田区と約束してきた。不満があってもこの調停案を受け入れていくべきだと考えている」としました。江東区の住民からは「江東区はいろいろな負担が多い。調停案でいいのではないか」「ごみ問題を江東区に持ってきて解決した部分もある。(大田区は)それを配慮してほしい」といった声も聞かれました。

 一方の大田区は、松原区長が「全島帰属を求める決議から大幅にかけ離れていて、引き続き合理的な解決に向けて適切に対応する」とコメントしました。大田区の住民からは「不満ですね。50対50でいけば。40年も戦ってきたことなので」「難しい問題。江東区にごみの問題などお願いしてきた。江東区民の気持ちも大事では」といった声も聞かれました。

 調停が成立するには両方の区議会の議決が必要で、成立しなかった場合、両区による訴訟となる可能性もあります。

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